あおぞら小児科様の現場レポート(構造設計室監理編)も、今回で最終回になります!
前回のブログで、鉄骨建て方が終わり、フレーム(骨組み)はできたので、最後は各階の床を作り完了です!具体的には、デッキプレートという波形の鋼板を敷き、その上からコンクリートを打設します。
ということで、さっそくコンクリートを・・・とはいかないのですね!
コンクリート打設の前に、鉄骨工事現場検査を行います。
この検査では、鉄骨の継手、基礎と柱の連結部分等をしっかりチェック!コンクリートや仕上材で見えなくなるところを重点的に検査します!!


鉄骨の継手部分と、基礎と柱の連結部分。しっかり緊結されていますね!基礎と柱の連結部には、前回の配筋検査の際ご紹介した、アンカーボルトのナット部分が見えております。これが基礎と柱を一体に繋いでいるのです!


一階土間の配筋検査。この丸くなっているところは、外に面して可愛い階段ができる予定です!今からとても楽しみです!!


続いて二階の床と天井の鉄骨の検査の様子。床にはデッキプレートが敷いてあります!
デッキプレートや梁からちょんちょん生えているのが、頭付きスタッド(以後スタッド)といって、鉄骨とコンクリート床を一体にする役割があります!

これがスタッドです!ここにコンクリートを打つことにより・・・
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
なんか曲がってるー!!!
これは大変なことが起きてしまいました!!!
しかも現場の人も、上司の池田さんですら!特に気にする様子はありません!!!
それどころか、真っ直ぐまともに立っているスタッドを、あろうことかおもむろにハンマーで叩く池田さん!!!
目の前で繰り広げられる想像を絶する光景にあっけにとられていると、ひとしきりハンマーで叩き終えた池田さんが、教えてくれました。
なんでもこれは『打撃曲げ試験』なのだそうです。
要はこのスタッドがしっかり鉄骨に留まっているかを試験するということ。
それにしたってやりすぎじゃ・・・曲がってしまうほどに叩くなんて・・・。
と、人間不信になりかけましたが、実は!『曲げ角度15°まで叩くこと』が、「建築工事標準仕様書 JASS6 鉄骨工事」で決められているのだそうです!!
このスタッドは、鉄骨と溶接されているのですが、その溶接がしっかりとなされているかを試験するため、叩く。つまり、スタッドが15°曲がるほどに叩いても、溶接部に割れなどの欠陥がでないかを調べるということです!!
思わず熱くなってしまいましたが、そんなこんなで検査も無事終わり、床のコンクリート打設を行います。
足場も組んであり、ここにいったいどうやってコンクリートを圧送するのだろうかと思っていましたら。。。

ポンプ車の鼻先を突っ込んで


そこから先は配管をして、奥のほうからコンクリートを圧送していきます!
この方法で届かない場所までしっかりとコンクリートを打てるわけですね!


こうして2F、3F、階段部分とコンクリートを打ち終わり、最終検査をして、躯体工事の工程は終了!上棟をむかえることになります!!
ここまで現場での検査を中心に、構造設計室の仕事を書いてきましたが、私自身も実際現場に行って、その様子を改めてブログに書くことで、色々なことを学ばさせていただきました!
現場の人いわく『東条設計の検査は本当に厳しいので、職人さん達も気が抜けない、その分品質の高い仕事ができるのです。』と教えてもらいました。
厳しい検査をするのもよりよい建築を作るため。現場の方々とも一丸となってベストを尽くしていきます!
なるべくわかりやすく書いてきたつもりですが、設計だけでなく、様々な人たちの関わりがあり、一つの建築ができあがっていく様子が少しでも伝われば幸いです!!!
これからも構造設計の仕事を通して、色々なことを学び、体験して、ブログにものせていきたいと思います!長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!!!